Archive: Green
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February 10, 2012
Mike Esteeはロボットの脚を段ボールからレーザーカットしてたが、それが6足歩行ロボットとして飛躍的な進化を見せた。彼の記事より。
以前にも書いたけど、コストは計算方法によって変わってくる。今回のプロジェクトでは、材料費、組み立て費用、そして組み立て時間を重視した。設計にかかった時間は最適化の対象にはなっていないが、前回のプロジェクトの焼き直しなので、難しいことはなかった。冷徹な予算の壁に対して、我ながらよくやったと思う。こいつにかかった費用は、段ボールが1ドル、サーボが54.60ドル、サーボコントローラが29.95ドルだった。
Mikeは、これまでの製作過程を丁寧に文書化している。ボディのテンプレートデータも公開している。ジャンクや中古部品を使えば、もっと安く作れるだろうね。
- Michael Colombo
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai | Feb 10, 2012 12:00 AM
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January 6, 2012
ちょっとヤル気のなかったMaker、 David LangがMakerカルチャーに身を沈め、我らの仲間、TechShopの寛大なるご協力のもと、できる限りのDIYスキルを習得していく様子をレポートします。彼は、何を学んだか、誰に会ったか、どんなハードルをクリアしたか(またはしなかったか)など、奮闘努力のレポートを連載します。- Gareth
Makerたちには驚かされる。どれだけのプロジェクトを同時進行させているかを見るにつけ、畏敬の念にとらわれる。ちょっと話がはずむと、たいてい、5つ以上のプロジェクトの構想を暴露される。新しいツールをひとつ見せれば、たちまち、その応用法やそれを使った実験の長いリストができあがる。これこそMakerの気質 (永久に止まらないプロジェクト案のベルトコンベア)であり、生まれながらの体質だ。私は、たったひとつのプロジェクトを考えるだけで精一杯の口だ。だから、苦労して複数のプロジェクトのバランスを取る心配なんてないだろうと思っていた。ところが、それは大間違いだった!
今やっとわかった。East Bay Mini Maker Faireで、OpenROVのブースを訪れたあるMakerからこう言われたのだ。「何が作れるかと考える時期はすぐに終わる。作る時間を捻出する方法ばかり考えるようになるよ」
そのとき私は同意するようにうなずいたが、その本当の意味が理解できたのは、先週の日曜日、ほんの「ちょっとした」サイドプロジェクトに週末を丸ごと費やしてしまい、下手をしたら次の週末もそれで潰れてしまいそうな状況に陥ったときだった。それは先週の木曜日、壁面ガーデニングについて語り合っていたときで、私は、壁面で植物を育てるというアイデアに魅了されてしまった。
Zero to Makerを始める前だったら、あちこちの店やウェブサイトを回って、もっとも安価にあげる方法を探すか、ただ情報を読むだけで終わっていただろう。しかし、今の私は違う! 自分で作り始めたのだ!
私は、園芸に関してもからっきしダメだということを言っておかなければならない。Green thumb(緑の親指:園芸の達人という意味)の反対語があるとしたら、それは「私」だ! 普通に考えて、このプロジェクトの最大のポイントは、どうやって壁に土をくっつけるかだ。私は、壁面ガーデニングの実例ややり方についてGoogleで検索した。そして発見したのは、セラミックの上に草を育てているアーティストたちの例だった。この路線が正解かもしれないと私は思った。私は、Luquid Ceramic(住宅用屋外ペイント)のメーカーに電話をかけて、ペイントに草の種と園芸用土を混ぜ込んで塗ったらどうなるかと、1時間半ほど私の考えを聞いてもらった。それは丁重に否定されてしまったが、私はそのアイデアを諦めることができなかった。
ガールフレンドと、そのプロジェクトとはまったく関係のない話をしているとき、たまたま私はhypertufaという素材のことを知った。これは普通のセメントにピートモスとパーライトを混ぜたもので、バターミルクを塗っておくと苔が生える。壁で植物を育てるという私の本来の目標とは少し離れるが、これを使って壁掛け式のプランターが作れるだろうと考えた。というか、正直言って、私はこれをどうしても試してみたかったのだ。私は鉛筆で必要なものを書き出した。 hypertufaの材料も入っている。コンクリートを固めるための頑丈な型も必要だ。土曜日の午後、型に関するいいアイデアがもらえないかと、私はTechShopに立ち寄った。そして衝動的に板金講座に飛び込み、型作りのための技術を習得した。 その講座は素晴らしい内容だった。その日の午後いっぱいを使って金属加工用工具の使い方を学び、それでどんなものが作れるか、あれこれ思いを巡らせた。型と呼べるほどのものは、そこでは作れなかったが、私は立ち止まらなかった。
日曜日の朝、私は使命を果たすために起床した。私はhypertufaでプランターを作るという大胆な目標をガールフレンドに告げた。まったく唐突な話ではあったが、その週末の私の奇妙な行動を見ていた彼女は、納得して「お楽しみ」に加わってくれた。彼女が私の手伝いをしようと決めた(と私が思った)のは、ただ私が困り果てるのを見たかったからで、私のアイデアに特別な興奮を覚えたからではなかった。必要な材料をちょっと買いに出たのだが、それはサンフランシスコのすべてのホームセンターを巡るの旅になってしまった。必要なものをすべて揃えるのに昼までかかり、私たちは疲れ果ててしまった。ちょっとした楽しいサイドプロジェクトは、いつの間にか直球勝負の本気のチャレンジに変わっていた。この買い出しツアー� ��、私たちはプラスティックのバケツをいくつか購入した。それは、ちょっと手を加えることで、hypertufa用の型として使える。私が思い描いていた壁掛けプランターの型とは違うが、今の段階ではこんなものだろう。次に私の印象に残ったのは、服とゴム手袋と、ガールフレンドの家の裏庭に設けた作業場を、土とピートモスとセメントだらけになってしまったことだ(写真を撮らなかったことを非常に後悔している)。
土埃(とコンクリート)が収まるころには、私たちはhypertufaを詰めた型を2つ作っていた。すべてを掃除し終え、出来上がった型を見て、私はここまでのことを振り返った。最初に描いた構想から、どんだけ遠くまで離れてしまったのだろうか。壁で植物を育てるという私の馬鹿げた考えは、ペンキに土を混ぜるという、ちょっと恥ずかしいアイデアから、板金講座の受講、コンクリートもどきに膝まで使っての実験、そして最高に楽しい時間。これからも、「次の週末」は必ずやってくる。
更新: 私たちの実験に関して、ガールフレンドからの最新の伝言:「わかんないけど、触ると変な感じ。土をただ固めたみたい。勉強になったってことで、よしとしましょう」そのとおりだ!
これまでの話はこちら:Zero to Makerの旅
- David Lang
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai | Jan 6, 2012 12:00 AM
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December 16, 2011
子供のためのテクノロジー達人で愉快なティンカラー、Scott Traylorが、いらなくなった3D映画のメガネを再利用する方法を思いついた。このPDFテンプレートを使えば、誰でも「グリーン」な気分になれる。彼のサイトより。
トップシートどちら側まで
カエルっぽいメガネを作るというアイデアは、数年前から考えていた。私は、何か面白いことを思いつくたびに、いつも持ち歩いているアイデア帳に書き込んでいる。他の人たち、とくに子供たちに、私はアイデア帳の利用を勧めているのだが、過去に思いついたアイデアを見返すのは楽しい。ときには、ずっと前に思いついたアイデアが、今、たまたま手元にある材料で実現する、なんていうこともあるのだ。
- Michael Colombo
訳者から:「クッキーモンスターのぐりぐり目も作れるかも」なんて書いてあるね。
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai | Dec 16, 2011 01:00 AM
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November 4, 2011
朝起きたら、見ず知らずの人がまったく無断で、あなたが開発した電子回路を製品に使っていた。使用料などは一切受け取っていない。その製品の価格は31,000ドル以上もする。彼らは、あなたが心血注いで作り上げた回路で儲けようとしている。あなたの回路が、どんなものに使われるのか、あなたには手出しも口出しもできない。これって、悪夢じゃない? ある人にとっては悪夢だが、これが理想の世界だと言う人もいる。これが今週のSoapboxのテーマだ。オープンソースハードウェアがKickstarter(キックスターター)をキックスタートする!
では始めよう。:)
Kickstarterは、物を作る人たちの間で、瞬く間に大人気の高い資金源となった。世界最大の資金支援基盤とも言われている。それには十分な根拠がある。
Kickstarterの「後援者」が100万人を越えた。それだけではない。まだある。
Kickstarterの後援者たちは、プロジェクトに対して1億ドル以上もの支援を約束した。他の基金と比較してみると、たとえば全米芸術基金の2011年度の予算が1億5400万ドルだ。毎週200万ドルずつ支援額が増えているKickstarterの今のペースが変わらないとすると、1年間に1億ドル以上もの支援が約束されることになる。
このMakeでもどんどん増えている。斬新なアイデアを持ってない? それを実現させるための十分な技能がある? ならばKickstarterにプロジェクトを提出してみよう。それが彼らのガイドラインに合えば(ここに彼らの好みが関与する)、プロジェクトを公開して資金を募ることができる。資金の平均は71ドルだ。後援者の出資金額でいちばん多いのが25ドル。資金援助をすると、製品のTシャツなどのような記念品がもらえるのも、出資を促す要因になっている。
今までにいちばん多くの資金を得たプロジェクトは何か? それはAn iPod nano watchだ。ほぼ1億ドルの資金を獲得している。では、彼らのガイドラインとはどんなものか? 以下が概要だ。
- プロジェクト:Kickstarterは音楽アルバム、映画、製品など、はっきりとした目標があり、商品化が期待できるプロジェクトに資金を提供するものです。
- プロジェクトには創造的な目的が必要です。
- 慈善事業や活動のための資金は出しません。
- 「生活費をください」プロジェクトには出せません。
- 報酬:金銭以外の出資誘引が必要です。
Kickstarterには「school」というページもあり、優れた「キックスターター」になるための方法をステップバイステップで教えている。
どんなタイプがいちばん資金を得ているか? 今のところ、デザインと技術のカテゴリーだ。これは納得できる。それが欲しいかどうか、支援したいかどうかがわかりやすいからだ。
しかし、プロジェクトの多くはオープンソースだ。つまり、資金援助を受けて作ったソフトウェア、ハードウェア、回路図、コードなどは、すべて公開してしまうことになる。そこは好感の持てるところであり、優れたプロジェクトや私が好きなプロジェクトの社会性が示されるところだ。
ではなぜ、オープンソースにするのか? ただそうしたいから、という理由もあるだろうが、オープンソースのプロジェクトを利用しているからという理由もある。オープンソースを利用すれば、自分で開発する労力を削ってお金が稼げる。元のオープンソース・プロジェクトと同じライセンスで発表して、変更点を公開すればよい。ソフトウェアの場合は、これがすごく便利だ(今は世界はフリーソフトの上に成り立っている)。ハードウェアの場合も、オープン化に人気が集まっている。どうしてか? その理由は、後ほど実際のMakerに話を聞くとして、まずは私の意見を述べる。オープンソース・ハードウェアは、より多くのKickstarter利用者の原動力になりつつあるのだ。
- Kickstarterは、プロジェクトの目的を果たすための資金を援助するものだが、資金を獲得するためには、デモやビデオを作って自分のアイデアが現実的なもので実現可能であることを訴える必要がある。オープンソースハードウェアを使えば、何をしたいのかを見せやすくなる。形にするのも早い。既存のオープンソースハードウェアを使ったプロトタイプ、ブレークアウトボード、改良、改変など、オープンな設計の利用が成功につながるのだ。
- 電気の専門家はほとんどいない。アイデアを思いついてプロトタイプまで作れる人は多いが、プロの電気技師になるための時間はない。しかし、プロの技師が仕事として作った優秀なオープンソースハードウェアがあれば、みんなはその高度な技術を利用して自分のプロジェクトを作ることができる。
- 技術系プロジェクトの場合、最終的な製品にする段階で、技術者を雇ってコンサルティングを受ける必要がある。
- オープンソースのツールとソフトは無料で使えて、商用利用も可能。
- オープンソースハードウェアを作った側は、Kickstarterプロジェクトで加えられた改良点を逆に取り込むことができる。
- さらにオープンソースハードウェアを作った側は、自分のプロジェクトが、いつどのような形で使われたかを知ることができる。市場調査、フォーカスグループ、リスク管理がすべて無料で行えるということ。
- 一部には、Kickstarterプロジェクトのオーナーが、あなたのプロジェクトをベースにした製品を大量生産して販売したいので、あなたのプロジェクトも大量に作って欲しいと逆に発注されることもあるだろう。それは、クッキーのレシピを公開したら、それがあまり美味しかったので、特別バージョンで焼いて欲しいと仕事の注文を受けるようなものだ。
ここに、Kickstarterプロジェクトにオープンソースハードウェアが使われた例と、プロジェクトそのものがオープンソースであった例の中から、私が素晴らしいと思ったものを紹介しよう。
259,000ドル
76,000ドル
53,000ドル
26,000ドル
18,000ドル
8,000ドル
8,000ドル
38,000ドル
ここらで疑問に思う人もいるだろう。たしかに、オープンソースハードウェアが使われた面白い製品がKickstarterから世に出ることもあるかもしれないけど、実際にそうしている人はいるのか? 誰がそんな話をしているんだ? とね。私がそれを知っていて話をしているのか、それとも、またいつものように、オープンソースハードウェアはいいものだと扇動しているだけなのか。
そういう人は実際にいる。私はbootstrapsolar.comのRyo Chijiiwaにインタビューをした。彼は、オープンソースハードウェアを使った私の好きなプロジェクトの開発者で、最近、Kickstarterから資金を得た。それは、私も開発を手伝ったAdafruit(ニューヨークのオープンソースハードウェアのメーカー)の技術を元にしている。オープンソースハードウェアを利用したプロジェクトはたくさんあるが、そのなかでもこれは私がよく知るものであり、Kickstarterで資金を獲得できたことをうれしく思っている。
彼がどのようにしてエレクトロニクスの世界に入ったのか、そのときオープンソースハードウェアはどんな役に立ったのかを、彼自身の言葉で語ってもらおう。大勢の人から資金を集めて行うプロジェクトとはどんな感じなんだろうか。貴重なMakerの証言だ。では、Ryoにご登場願おう。
私はフェンスを飛び越えてから私の犬をどのように停止しない
インタビューに応じてくれてありがとう。
こちらこそ、ありがとう。
まずは自己紹介を。
私の名前はRyo Chijiiwaです。ソフトウェア技師としての教育を受け、Yahoo!やGoogleなどのシリコンバレーの企業で働いていたことがあります。2009年に会社をやめて、カリフォルニアの北東地区に未開の土地60エーカーを購入しました。そこで2年間、「ミニマリストの快適性」と自分で言っているのですが、そんな生活を追求しました。それは、2軒目の小屋を建て、冬期に1カ月間、自分の土地から一歩も外へ出ずに過ごせたときに達成できたと考えています [1]。それから2カ月間、日本の震災復興ボランティアに参加したあとに、文明社会に戻ってきました [2]。
エレクトロニクスを作ろうと思ったきっかけは?
ホントのことを言って、物作りはすごく好きだったのですが、これが、中学校以来、初めてのエレクトロニクス・プロジェクトなんです(プログラミングは高校で目覚めました)。
このプロジェクトを思いついたのは、日本で3月に起きた大震災と津波の直後でした。もっとも被害の大きかった地域で、驚くほど多くの被災者が話してくれたのですが、食料、水、燃料、薬品といった必需品の次にいちばん欲しいと思ったのが、携帯電話を充電する方法だということでした。これは現代的な問題だと感じました。今ほど私たちは、あの小さなデバイスに依存している時代はありません。この現象は、高性能なスマートフォンの登場によって、さらに広まるはずです。
被災による問題は数多くありますが、これは比較的簡単に解決できるものだと感じました。私が山小屋で暮らしていたとき、唯一の電源は、ちっぽけな145Wのソーラーパネルだけでした。その程度のものでも、数台の携帯電話を充電するには十分で、安いし扱いも簡単です。100~200ドルの装置で携帯電話5台は充電できることを私は知っていました。それによって、外の世界とのつながりを保つという体験をしていました。
1カ月後、私は日本に飛び、もっとも被害の多かった地区のひとつである岩手を拠点にしたアメリカ人組織によるボランティア活動に参加しました。そこで私が行ったのは、約10名のボランティアを連れてこの隔絶された街に入り、津波に襲われた人家の中に文字通りキャンプを張りました。電気は来ていません(壁も半分ありません)。私たちは3つの拠点を作って作業しましたが、それらを束ねるためには携帯電話が必要でした。もうおわかりでしょう。携帯電話の充電にとても苦労したんです。ボランティアの1人はソーラー式充電器を持っていましたが、ほとんど使い物になりませんでした。
その後、BootstrapSolarを立ち上げようとしていたときに、あのときの体験から、ポータブルなソーラー式携帯電話充電器を作ろうと閃いたのです。ソフトウェア技術者なら、今あるものに満足できなければ自分で作るというのが普通です。エレクトロニクスの経験はほとんどありませんでしたが、それと同じメンタリティーでスタートさせたのです。
BootstrapSolar とは?
BootstrapSolarは私の会社の名前です。まったく資金のないところから自力で立ち上げるわけで(2年半無職でしたから)、文字どおり、bootstrap(ブートストラップ:自力でやること)だったわけです。ハードウェアの会社を立ち上げるには、天才であるか、資金がたっぷりあるかのどちらかでないと難しいのが実情ですが、私は天才ではないし、すっからかんでした。だから、創造的になろうと考えたのです。
事業提案書を書いたり資金集めをするより、まずは製品を作ってから自力で立ち上げていこうと考えました。ソフトウェア業界で普通にやっているようにね。最初に思いついたのは、災害時用のものです。避難所にしまっておけるキットや、災害時に配布できるものです。しかし、いろいろ考えるうちに、もっと小さくて幅広い人たちに使ってもらえるものがいいと思うようになりました。日本と私の土地での経験を元に、安価ながら実用的なパワーのあるソーラー式の携帯電話充電器を作ろうと決めました。私が作ったのはそれです。
BootstrapSolar Power Pack Kit(そのあとすぐにChi-qooと改名)[3] は、ポータブルなソーラーデバイスで、携帯電話やiPadや電子書籍リーダのような小型の電子機器に充電ができます。5Wのソーラーパネル(オプションを追加すれば10Wまで拡張可能)、6000mAh/22Whのリチウムポリマ電池、1.5Aまで対応する2つのUSBポートを備えています。竹製のケースがつきます。キットで販売する予定なので組み立てが必要です(ハンダ付けは必要ありません)。仕組みは極めてシンプルです。ソーラーパネル(またはバックアップとしてコンセント)から内部バッテリに充電します。その電気をUSBポートを使ってデバイスに充電します。
Kickstarterを使おうと思ったわけは?
自前の予算で実際に使えるプロトタイプを作ることができましたが、これを製品化して販売するには、それなりのお金がいることもわかってました。起業家の友人に相談したところ、クールなハードウェアプロジェクトがいくつも利用しているKickstarterを薦められたのです。私は、大勢から出資を募るという理想主義的な考え方も気に入りました。シリコンバレーの上場企業で働いていたとき、私は昔ながらの投資家や株主たちに幻滅していました。いわゆる「企業欲」というものが、企業が成長することによってのみ利益を得る株主たちに由来していると感じられたからです。そのため、株主は企業に成長を強要します。まるで癌のごとく、永遠に成長するようにです。役員たちは合法的に株主に資するように働くため(普通は役員自身 も株主です)、こうした力学のために、企業は社会的あるいは環境的コストが高くつく仕事をせざるを得なくなります。これは準最適モデルです。それに代わるの有望な選択肢のひとつがCrowd-funding(クラウドファンディング:大衆から資金を調達する仕組み)です。これを使えば、ウォール街を回避できます。
オープンソースのハードウェアとソフトウェアは、どのように役に立った?
オープンソースのハードウェアとソフトウェアがなければ、このプロジェクトは実現していなかったと思います。私はこのプロジェクトを6月の末に開始しましたが、7月1日にOpen Source Solar Lipoly Charger [4]がLadyadaから発表されたときは、神の啓示を受けた気分でした。エレクトロニクスの経験がまったくなかったので、自分では絶対に設計できませんでした。誰かを雇って作らせるなんてことは、経済的に不可能でしたし。それがオープンソースであったことが、決定的でした。それを自分の用途に合わせて変更できるわけですから。
ソフトウェアでは、オープンソースのグラフィックソフトInkscapeで竹のケースのレーザカット用データを作りました。市販のグラフィックソフトを購入なければならなかったら、予算の4分の1は吹っ飛んでいましたよ。オープンソースではありませんが、プリント基盤設計用ソフトEagle CADや、3DモデリングソフトのSketchUpなどのフリーソフトも利用しました。
オープンソースハードウェアを元に作ったプロジェクトだけど、あなたはこれをオープンソースとして公開するつもり?
ええ、すべてのデザインをオープンソースライセンス(またはOSH互換のクリエイティブ・コモンズ・ライセンス)の元で公開する予定です。回路設計の一部は、すでにGitHubで公開しています [5]。そのほかのデータも、仕上げができ次第、公開していきます。
BootstrapSolarはクラウドファンディングの支援を受けているので、私も、支出を公にして、ビジネスのあらゆる側面をオープンに透明にする必要があると考えています [6]。これはもともと、シカゴでOpen Produce [7] という、経営の透明性を高めた食料品店を経営している友人の考えでした。
なりダッシュprotectentsはダメージを与える
もうひとつ、先日私は、私のキットのクローンをフィリピンで大量生産したいという人から連絡をもらいました。オープンソースハードウェアだからこそ合法的に可能なベンチャーです。それでは私が損をすると考える人もいるでしょう。たしかに、私が自分で販売するキットの価格では、市場で生き残ることはできません。しかし、革新の曲線上で常に先を行っていれば、競争力を維持することができます。クローンであっても、製品を製造して発売するまでには数週間から数カ月という時間がかかります。だから、2カ月にひとつのペースで新製品や新バージョンを出していけば、常に前を歩くことができます。さらに、物作りの経験には、単に物理的な製品以上の価値があります。それがあればコピー商品に勝てると自負しています 。
Adafruitの開発者、Limor "Ladyada" Friedと話したことは?
はい。彼女のソーラー充電回路に私が改良を加えたものを製造販売して、売り上げの一部をもらえないかと頼んだことがあります。これは自分の労力を減らすための策でした。私が彼女のデザインを利用したことで、彼女にも儲けがあるわけです。実現はしませんでしたが、これからも、いろいろな製品を買って彼女を応援したいと思ってます。私は個人的には、オープンソースは共有することだと考えています。私のようにオープンソースを利用するものは、どこかにその利益を還元しなければいけないと思っています。
あなたのプロジェクトの目標は?
今のところはキットの製造で手一杯です。BootstrapSolarはワンマン経営なので(インターンを2人ほど雇うことを考えてますが [8])、仕事が山ほどあります。それに、日中はフルタイムの仕事を始めてしまったので、2つの仕事をなんとかこなすことでいっぱいいっぱいです。昼間の仕事を終えると、その足でTechShopに向い、深夜に閉店するまで、BootstrapSolarの製品を作って、帰宅するという毎日です。帰宅と言っても、実は昼の仕事をしている建物の中の空き部屋です。忙しすぎて、アパートを探す時間もありません(そんな気にもなれません)。毎晩、私はKickstarterの後援者から送られるメッセージに返事を書きつつ、回路設計やレーザーカット用のデザイン変更に没頭しています。だから、当面の私の目標は工房を持つことです。それが実現すれば、もっと多くのアイデアを効率的に進めることができます。究極的には、BootstrapSolarを経済的にも環境的にも持続可� ��なビジネスにしたいと考えています。そしてもちろん、世界制服です。
この製品がうまくいったら、また Kickstarter を使う?
私はKickstarterの基本的な考え方が好きなんです。創造的なプロジェクトに対して最上級のサービスをしてくれると思っています。とは言うものの、私はKickstarterを、彼らが本当に意図しているのとは違う形で利用している部分もあります。なので、私が本当にやりたいと思うことができない困難もあります。たとえば、後援者のほとんどが予約を入れてくれますが、個別のオーダーに手作業で対応しなければなりません。また、後援者への報酬の形や、資金の使い方にも制限があります(たとえばカーボンオフセットの購入はできません。カーボンオフセットには「金銭価値」があるからです)。ルールのなかには「Amazonペイメント」に関連するものもありますが、特定の人の事情に合わせたルールもあるようです。
私のプロジェクトはうまくいきました(私が提示した目標の400%をわずかに下回るでした)が、私は最初、彼らの趣旨にそぐわないとして断られているのです。彼らの言うことも、ある程度はわかります。私はこの最初のキットの売り上げから、次のプロジェクトの資金を作ろうと考えています。しかし、またクラウドファンディングを利用したいと思ったときは、別のサービスを選ぶでしょう。Kickstarter以外のものがあるかどうかは知りません。なかったとしても、もっとスモールビジネスに対応したクラウドファンディング・サービスが現れるのは時間の問題だと思います。
[0] http://www.bootstrapsolar.com
[1] http://laptopandarifle.wordpress.com/project-31/
[2] http://www.youtube.com/watch?v=AwU?meig7k
[3] http://www.kickstarter.com/projects/ryochijiiwa/bootstrapsolar-portable-power-pack-kit
[4] http://www.adafruit.com/products/390
[5] https://github.com/ryochiji/BootstrapSolar
[6] https://docs.google.com/spreadsheet/ccc?key=0AvQAiC0IZUdbdHU2V3BRZkNTUEo4cmNfMTFRZHVOeXc&hl=en_US#gid=0
[7] http://openproduce.org/
[8] http://bootstrapsolar.tumblr.com/internships
Kickstarterは最初のクラウドファンディング・サービスではないことを指摘しておきたい。最後でもない。あのスターバックスもサービスを検討中なのだ。以下はスターバックスの CEO、Howard Schultz の考えだ。
アメリカ人は、スターバックスを仲介者として、自らのスモールビジネスを支援するようになる。スターバックスは、スモールビジネスへの投資を目的とした金融サービスを開始する。スターバックスの客は、コーヒーを買う際に寄付ができる。5ドル以上の寄付をされた方には、赤と白と青のリストバンドが贈られる。それには「Indivisible」(不可分)というSchultzの言葉が刻まれている。「これによってアメリカンドリームが誇りを取り戻すことを期待している」とSchultzは語っている。キャッチフレーズはこうだ。「アメリカ人がアメリカ人を支援する」
最後に、愛のあるこのKickstarterプロジェクトを紹介しておこう。
Makerムーブメントが広がるにつれて、私たちはいくつもの目標を達成してきた。作ったものを共有する方法(MAKE magazine / MAKE blog / Maker Faire、Make: Projects、Instructables)、人と出会って物を作る場所(ハッカースペース、TechShops、ミートアップ、DorkBots)、作るためのツール(Inkscape、MakerBots、レーザーカッタ、gEDA、kiCAD)、作ったの物を売る方法(Etsy、キットビジネス、Maker Shed、直販)、そして、プロジェクトの資金を得る方法(Kickstarter)もある。夢に描けば作れる。そして今やそのための資金も得られる。それが現実になった。さらに、オープンソースハードウェアを使えば、それを利用すると同時に、元のデザインに価値を還元することもできる。今、私が興奮しているのはその点だ。オープンソースハードウェアがもっと増えれば、Kickstarterにもさらに素晴らしいプロジェクトが登場するはずだ。
- Phillip Torrone
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai | Nov 4, 2011 12:00 AM
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November 2, 2011
Phil Sadowは、リーフのポータブル充電コードを、ずっと早く充電できるように改良した。写真提供: Bradley Berman(New York Timesに掲載)
この前の日曜日、ニューヨークタイムズにBradley Bermanの記事が載った。日産リーフのオーナーたちを取材したもので、彼らが、プリウスのオーナーたちと同じように、車に改造を施し、なかにはその成果を製品化して売り出している人もいるのはどうしてかを追っている。
車に電気を送り込むための診断サービスポートを使って、Giddings氏は、リーフのダッシュボードに表示されるものより、ずっと詳細な情報を表示できる機器を作った。リーフは、電気の残量を非常に細かくモニタできるようになっているが、運転席に表示されるのは12本のバーによる単純化されたグラフだけなのだと彼は語る。
Giddings氏の自家製E.V.電気レベル計があれば、リーフのドライバーは、安心してあと10%以上走行できるようになるという。彼のレベル計には実際の電気量が示されるので、リーフのダッシュボードで残量が「ゼロ」と示されても、まだ数マイル走れるだけの残量があることがわかるのだ。「実際に電気がどれだけ残っていて、どれだけ走れるかがわからなければ、ヤマカンで走っているのと同じことだよ」と Giddings氏。彼の自作電気レベル計は、キットで170ドル、完成品で280ドル。これまでに数人のリーフオーナーが購入しているという。
この記事によれば、アメリカ国内にリーフのハッキンググループは少なくとも10はあるらしいのだが、連絡先は載っていなかった。こうしたグループや個人でハッキングをしている人は、My Nissan Leaf forumのLocal/Regional discussionsで探すこともできる。
The Electric Leaf's True Believers Won't Leave Well Enough Alone (英語)
- Gareth Branwyn
訳者から:こうしたハッカーたちの技術が日産にフィードバックされて、よりよい車ができていくという形になればいいね。そう思うと、オープンソースハードウェアの考え方って、すごく大切なんだと実感する(リーフはオープンソースハードウェアじゃないけど)。
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai | Nov 2, 2011 02:00 AM
Automotive, Green | Permalink | Comments (0)
August 19, 2011
オーストリアのAndreas Straussが経営する、誰でも泊まれて、半アウトドアの、客が自分で料金を決めるシステムのdasparkhotelに泊まるのは、ちょっと気が引けるところがあるが、土管をアウトドア用の小屋に使うというアイデアは面白い。低コストな建物かどうかは微妙だな。土管は安いだろうが、運送費は馬鹿にならないはず。でも、おみごと。
- Sean Michael Ragan
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai | Aug 19, 2011 12:00 AM
Green, Home and Garden, Remake | Permalink | Comments (0)
July 4, 2011
Markus KayserのSolar Sinter Project(太陽光焼結プロジェクト)は、太陽をパワーに、砂を材料に使う3Dプリンタだ。
エネルギー源と天然資源の枯渇がより問題視される中、このプロジェクトは、エネルギーと素材が無尽蔵にある砂漠の生産性を探るものです。この実験では、太陽光と砂を天然エネルギーとして使い、3Dプリンタの技法でガラス製品を作ります。高度なテクノロジーを用いて天然のエネルギーと素材を合体させるわけです。太陽光焼結は、製造業の将来に関する疑問と、世界でいちばん高効率なエネルギー源である太陽のフル活用という希望を喚起することが狙いです。明確な答えは出ませんが、発想の転換につながることを期待しています。
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redditユーザーのjabo27より。[Geekologieより]
- Sean Michael Ragan
訳者から:スノーウォーカーは冬の光景だよね。
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai | Jan 19, 2011 01:00 AM
Green, Holiday projects, Made On Earth | Permalink | Comments (0)
August 25, 2010
ちょっと前に受信箱に入ってきた記事だ。けだるい夏の午後にぴったりの最高に楽しいヒマ潰しって感じ。完璧なMAKEcation(make+vacation)プロジェクトじゃないか! 先月、バンクーバーのトラウト湖でこの催しを企画したのは、Jeff Hamadaが代表を務めるバンクーバーのアートコミュニティーとブログ、Booooooom。要は、葉っぱや小枝や花や草など自然の中にあるものだけを使って小さなボートを作って湖に浮かべて、それを見て楽しむという遊び。いろんなデザインがあって、すごく楽しそうだ。
自分でもやってみたいと思った人は、ぜひ作品の写真をMAKE Flickr pool にアップしてくれ。
(下のリンクにもっとたくさん写真があります)
[ありがとう、Lenny!]
Little Drifters / Vancouver (Booooooom のギャラリー)
Little Drifters set sail in Vancouver(Vancouver Sun の記事)
- Gareth Branwyn
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai | Aug 25, 2010 03:00 AM
Green, Kids | Permalink | Comments (0)
August 18, 2010
David GrahamのMove-itは、まだ試作機だが、大きな荷物を運ぶときのエレガントで効率的な方法を提供してくれる。ジェームズダイソンアワードを授賞したMove-itは、段ボールで作った車輪と調整可能なハンドルで構成されており、45ポンド(約20キロ)以下の荷物に有機分解性の接着材で貼り付けて使う。[Geeky Gadgetsより]
- Adam Flaherty
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai | Aug 18, 2010 01:00 AM
Green, Paper Crafts | Permalink | Comments (0)
July 9, 2010
ついに秘密を打ち明けなければならないときが来た。あのPixel Qi液晶パネルがMaker Shedで買えるようになったのだ。Pixel Qi(「チー」と読む)と、彼らの驚くべき3Qi透過反射ディスプレイ技術をよく知らない人のために、ここに彼らのお知らせを抜粋しておこう。
普通の室内光では、ごく普通の液晶画面のように見えますが、屋外の太陽光の下に持っていくと、その違いがわかります。Pixel Qiは直射日光の下でも、くっきりと明るい映像を表示します。通常の液晶画面と同様、Pixel Qiも高品質なフルカラー画像、フルモーションビデオ、高輝度を提供します。Pixel Qi液晶画面の各ピクセルは、基本的には反射式ですが、バックライトを点灯させると、通常の透過型液晶とほぼ同じ動作をします。これにより、どのような照明の下でも、鮮やかなコントラストと「明るさ」を実感できます。Pixel Qi画面は反射モードでは消費電力が80パーセント減となるため、「グリーン」なシステムに最適です。
ノートパソコンを改造したい人や、タブレットパソコンを自作したい人にはグッドニュースだ。発表によれば、Pixel Qiの創設者でありCEOのMary Lou Jepsenは「MakeとDIYコミュニティと協力することで、私たちだけでは思いつかないさまざまな方向にこの発明を発展させることができます」と語っている。
Pixel QiをMaker Shedで販売することについて、Dan Woods(MakeのEcommerceジェネラルマネージャー)はこう話している。「タブレットやノートパソコンの自作や改造を行っている人たちやMakerコミュニティのオンライン読者たちが大いに興味を示しています。私たちは常に、DIY愛好家を新しいチャレンジへ導き支援するための新しい道を探っていますが、Pixel Qiのようなまったく新しい技術を開発者やMakerの手に渡せば、彼らは、ユニークで魅力的で私たちをアッと驚かせるエキサイティングなものを作ってくれます。Makeは、教育者からアーティスト、ソフトウェア開発者やハードウェアハッカーなど、世界中の幅広いMakerコミュニティに刺激を与えるだけの存在ではありません。そこで生まれた製品について語り合う場を提供するものでもあります」
私は、自分のノートパソコンの画面をPixel Qiに交換する様子をビデオに収めた。マシンは Acer Aspire Oneだ。パネル形状は同一だが、ネットブックへの使用は公式には推奨されていない。
画面の交換は簡単だ。小さなドライバー1本で、作業は5~10分で終わる。フロントのプラスティック製ベゼルを外すには、2~4本のネジを抜いて、パチパチと爪を外す。ベゼルを外したら、さらに中でパネルを留めているネジを抜くと、パネルが外れるので、ケーブルを取り外す。次にPixel Qiにケーブルを接続し、ネジ留めして、ベゼルをはめ込んで、おしまい。
詳しくはMaker Shed を見てね。
- Adam Flaherty
訳者から:Qi は「気」のことだそうです。送料などを入れると300ドルちょっと。びみょーなところだね。スペック表はこちら。
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai | Jul 9, 2010 03:00 AM
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