自衛隊の護衛艦や米空母などの場合「退役」と「除籍」同じ意味ですか?
  「退役」は軍から退くこと、「除籍」は籍を離れることです。 
どちらもほぼ同じと言えば同じ意味かな。 
護衛艦の場合は少し経ってからスクラップにされます。 
一方の米軍艦の場合は、予備役に入り、モスボール化され、海外に売られて第二の人生を歩むか、そのまま保管されます。 
但し、一定期間を過ぎれば、スクラップです。  
  空母は建造費用にとてつもない金額をかけます。 
しかし、竣工後はキャパシティが大きいため、その分改造は容易で最新の装備を搭載することが出来ます。 
従って、主機に故障のない限り何十年となく利用されます。 
第三世界では、第二次大戦当時の駆逐艦が未だに現役という国も多数ありますよ。  
    
海自の船のヘリ甲板のマーキングなんですけど、黄色いラインがクロスしてますよね。これはこのライン上にアプローチするんですか?
  海上自衛隊のヘリ搭載型護衛艦はRASTと呼ばれるヘリコプター着艦拘束装置が装備されています。 
んで、ラインがクロスしたあたりにその装置を展開します。 
だからそのライン上にアプローチすれば捕まえやすくなるわけです。  
  前甲板の四角にクロスラインはヴァートレップと呼ばれるヘリによる空中からの 
補給に使うための強化甲板であることを示すマーキングです。   
    
「自沈」は何故行われるのですか?放置してはいけないのですか?
  ほっといたら、敵の戦力として復帰するかもしれないから。 
それに比べたら自分達で沈めた方が、マシでしょう?   
    
軍艦の煙突から出る排気の温度はどの位なのでしょうか?
  蒸気タービン機関の排気熱はおよそ300度、 
ガスタービン機関の排気熱はおよそ1000度くらいのようです。 
もちろん煙突を通るときに(ガスタービン艦は冷却装置がある)温度は下がりますので、 
200度程度になると思います。  
    
軍艦の排水量ってどうやって測ってるんですか?
  資料は見つかりませんでしたが、公試排水量は排水量を設計仕様書に調整するらしいので 
ドックに入ったときに注排水した水量とドックの容積から計算が出来ると思います  
    
現在の海自艦艇のダメージコントロールってどんな具合なの?
  幅が広いのですが基本で防火・防水・応急操舵ほとんど人力です 
ただ最新艦だとドアを自動閉鎖が出来るそうです 
火災や浸水は応急指揮所や艦橋でモニターできます、 
中央のコンピューターがCIC/CDSを指すのか操縦室・応急指揮所を指すのか不明ですが 
エンジンが動き速力が確保出来るならどちらもダウンしても 
人力操舵で航行は出来るでしょう  
    
艦船のBB・CV・DD・LHD等の略語が分かりません。
  CA・CL:ロンドン条約で巡洋艦を備砲の口径によりA級・B級に区分したが 
(15.5cm以下がB級、超えるものがA級)、アメリカはA級をCA・B級をCLと 
呼称した。この区別は1970年代初頭まで残っていた。 
BB:Battleship DD:Destroyer 
BB・DDは略号が一文字の場合、同じ文字を重ねて艦種記号とするという 
米海軍の方式から。 
CVのCは、空母が巡洋艦(Cruiser)の系列とされていたことから。 
Vについては、aviationのV(aViation)と聞いたけど。  
     装甲巡洋艦がCA、軽巡洋艦がCLだったが、ワシントン条約で装甲巡洋艦は廃棄。 
ワシントン条約に基づいて起工されたペンサコラ級は軽巡洋艦の区分だったが 
ロンドン条約の締結にあわせて竣工時にCAに変更された。  
    
戦記によく○度傾斜などと出ますが、○度の坂の上り下りのきつさを考えると艦内はえらいことになってそうですが・・・
  そう言う状況になったとき(例えば暴風雨など)は、 
艦内の物品は全て固縛し、料理も出せず乾パンに頼ったと言う話はありますね。  
    
艦船に使われる鋼板について質問です。
  有名なVHやVCについてはある程度わかるのですが、DS、HT、NS、STSなどになるとよくわかりません。 
材質としての特性や、用途について教えてください。  
  HTは造船用鋼材として一般用に用いられる高張力鋼のこと。  
 DSも多分同じだと思われ。  
 あとNSとSTSはほぼ同じものを指しているのではないかな? 
 (参考) 
  
    
兵器(特に大型艦とか)に保険を掛けてるって例はあり得ますか?
  昔、日本海軍がフランスに発注した軍艦(畝傍)が日本に回航する途上で行方不明に 
なったけど、そのときは保険金が払われた(その保険金で代艦を建造した) 
また、ちょっと前に、アメリカで演習するために運搬中だった陸自の自走砲が 
貨物船もろとも沈んでしまった事件があったが、あれも保険に入っていたはず。  
    
商船構造とは?軍艦と構造が違うのですか?
  軍艦は被害を想定して、内部が細かく仕切ってあります。浸水や火災が発生したらそこを閉め切って 
それ以上の被害拡大を防ぐワケです 
一方、商船は何でも積める容積こそが商売道具でありまして、 
できるだけ広い貨物室を確保するような設計になっています 
このため、軍艦の建造費は商船に比べて5.6倍になるといわれております  
    
戦艦や空母って、嵐や大波で沈んだことは無いのですか?
  空母は日米とも、飛行甲板がもげたことはあったげな。  
  嵐で沈むかどうか論じるのはナンセンスだと思うよ。 
船乗りで嵐に飛び込む馬鹿いないし。  
    
煙突マストのMACは何故廃れたのですか
  ガスタービンの普及。  
    
原子力を使って起動している艦船は被弾、大破した時に放射能汚染が発生する可能性はあるのですか?
  またその対策というのはどの程度考えられて設計されているのですか?  
  勿論その危険はあります。原子力を用いた艦船は現在航空母艦・潜水艦の他一部の巡洋艦 
が就役していますが、これらの艦は致命的なダメージを受けた際に原子炉のスクラム(緊急停止 
操作のこと。炉心に炭素製の制御棒を一気に突込み、核分裂反応を停止させて暴走を防ぎます) 
を行ってから沈むことになっています。現在までにスクラムが失敗した例は報告されていません 
が、沈没した潜水艦の核燃料は当然海の底で放射線をばら撒きつづけています。まあ、もともと 
地底にあったものですし、何万年も経てば資源に戻ることでしょう。また万が一スクラムに失敗 
して海中で原子炉が暴走したとしても、膨大な量の海水にエネルギーを吸収されるので 
チェルノブイリのようなことにはなりません。危険なことには変わりないのですが。  
  燃料を補給せずに行動でき、無限の電力を供給できる利点が 
リスクよりも評価されて危険を承知で使用されています。  
    
ロシアの船舶に多いんですけど退役後「インドでスクラップ」などと言うのは鉄くずとして輸出されたと考えていいのですか?
  兵器、電子機器などは予め取り外されています。 
一昔前の韓国とか、ふた昔前以上の日本などでも海外の軍艦のスクラップ 
は行われていました。 
日本で解体された海外の軍艦としては、チリの戦艦、アルミランテ・ラトーレ 
が有名です。  
  その昔、鉄はスクラップを材料に作るのが殆どだったので…。  
     インド海軍に譲渡となっていない物はそうです。 
その場合、兵装・電装・主機を筆頭にお金になりそうな物は全部取り外した後、 
目的地に到着できるぎりぎりの物を積みなおすのが常です。  
    
今の軍艦、中でもイージス護衛艦こんごう等はものすごくトップヘビーそうなデザインなのですが航洋性に問題が無いのはなぜなんですか?
  軽いからです。 
第二次大戦型の軍艦と比べるなら上構はずいぶん軽くなってます。 
つってもタイコンデロガでトップヘビーがかなり深刻な問題になったように、 
結局は程度問題です。  
     復元性に関して言えば、かなりの幅広船型を採用しています。  
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